発達障害とは?~ASD(自閉スペクトラム症)編~

 発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達の偏りにより、環境との適応が難しくなり、社会生活に困難が生じる状態を指します。代表的な発達障害として、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)、LD・SLD(限局性学習症)などがあります。

今回は特にASD(自閉スペクトラム症)について詳しく解説します。

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の2つの特徴

1.対人関係や社会的コミュニケーションの難しさ
会話の表面的な理解は問題なくできる一方で、相手の意図や感情を汲み取ることが難しい場合があります。そのため、相手の発言の真意を誤解しやすかったり、場の空気を読むのが苦手だったりすることがあります。
また、相手の感情を理解したり共感したりすることが苦手な場合があり、無意識のうちに場の雰囲気にそぐわない発言してしまうこともあります。

2.物事や行動に対するこだわりの強さ、感覚の過敏さや鈍感さ
特定の物事や習慣への強いこだわり持ち、決まったルールや手順を好む傾向があります。それらが崩れると強い不安を感じたり、パニックになったりすることがあります。また、特定の動作を繰り返すなどの特徴がみられることもあります。さらに、感覚(聴覚・視覚・触覚など)が過敏だったり、逆に鈍感だったりする場合もあります。例えば、大きな音や特定の感触を強く不快に感じることがあれば、逆に痛みや熱さに対して鈍感なこともあります。

トラブルの要因となりやすい特徴

ASD(自閉スペクトラム症)の特性は外見からは分かりにくく、本人も自覚していないことがあります。

特に、日常生活や対人関係で誤解を招きやすい特徴として、以下のようなものが挙げられます。

1. 明確な指示がないと、何をすればいいのか分からず動けない

2. 周囲の雰囲気を察するのが苦手で、状況に応じた対応が難しい

3. 冗談や比喩表現が理解しづらく、会話の意図を正しく読み取れない

4. 抽象的な表現や曖昧な指示を理解するのが難しい

5. 興味のあることには強く集中し、話し続けたり、続けすぎたりする

6. 時間管理やスケジュールの調整が苦手で、計画通りに動くのが難しい

7. 自分が関心のないことには消極的で、取り組もうとしない

8. 突然の予定変更に対応するのが難しく、騙されやすいことがある

9. 名前を呼ばれないと、自分への呼びかけだと気づきにくい

10. 相手の気持ちを想像するのが苦手で、無意識のうちに傷つける発言をしてしまうことがある

このような特性に加え、人や状況によって異なる細かな傾向が見られることもあります。ASDの主な課題は、他者や環境との共感が難しいことや、言葉の使い方が誤解を招きやすいことなど、コミュニケーションに関連するものが多いです。さらに、ASDに加えてADHD(注意欠如・多動症)などの特性を併せ持つケースもあります。

ゆうがくでのASD(自閉スペクトラム症)の生徒に配慮していること

当塾では、ASD(自閉スペクトラム症)の特性を理解し、生徒一人ひとりが安心して学習に取り組める環境づくりを心がけています。特に、以下の点に注意を払っています。

1. 明確な指示と分かりやすいコミュニケーション

ASDの生徒さんは、言葉をそのままの意味で受け取ることが多く、曖昧な表現や暗黙のルールを理解するのが難しいことがあります。そのため、当塾では指示や説明をできるだけ具体的かつ明確に伝えるようにしています。また、状況に応じた適切な対応がしやすくなるように、授業の流れやルールを事前に説明し、安心して学習に臨める環境を整えています。

2. 環境の調整と柔軟な対応

特定の音や光、感覚刺激に敏感な生徒さんもいるため、必要に応じて座席の配置を工夫したり、静かな学習スペースを用意したりしています。また、特定の習慣やルールを大切にする生徒さんには、可能な範囲で学習スケジュールや進め方を調整し、ストレスなく学習に集中できるよう配慮しています。

3. 生徒の個性を尊重し、無理のない学びをサポート

ASDの生徒さんは、興味のある分野に対して高い集中力を発揮することが多い一方で、新しいことへの適応に時間がかかる場合があります。そのため、当塾では生徒さんの得意分野を活かしながら、無理なく学びを進められるような指導を心がけています。一人ひとりの特性に合わせた学習計画を立てることで、自信を持って学べる環境を提供しています。

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